ティアラ2
テーブルにひじをつき、にんまり笑っていて、あたしの反応を面白がっているようにも見えた。……わざと怒らせようとするみたいで。

相手にしないでおこうと、黙って離れるあたし。すると、彼はまたそばにきて、テーブルの端に一枚の名刺を置いたの。

「三流を相手にするくらい暇ならさ、一度……カメラの前に立ってみてよ。俺なら君の魅力をぜんぶ引き出すことができる。君よりも君のことをわかってるしね」

そう言って、去った彼。

あとで、こちらの支払いを勝手に済ませていたことがわかり、無性にムカついた。

……ふざけんじゃないわよ。ちゃんと話したこともないのに、あたしのなにがわかるっていうの。
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