ティアラ2
慌てて透吾を見たけれど、彼は表情をひとつも変えてない。それどころか、口元は少しずつにんまりと緩み始めている。
「聞いてる? プロならちゃんと撮りなさいよ」
あれ、この口調……誰かに似てる気が。偉そうな態度の笹野京香にあ然とする。
顔をあげた彼女に何も言わず、透吾はうなずくだけだった。だけどしばらくして、彼はスッと片腕を前に出したの。
「おいで」
穏やかに微笑んだ、彼。
差し出された手のひらを愛おしげに見つめながら、彼女はゆっくり動きだす。1歩、2歩と、透吾に近づき……。
そして、腕の中に顔を埋めてから、大声で泣きわめいた。
「聞いてる? プロならちゃんと撮りなさいよ」
あれ、この口調……誰かに似てる気が。偉そうな態度の笹野京香にあ然とする。
顔をあげた彼女に何も言わず、透吾はうなずくだけだった。だけどしばらくして、彼はスッと片腕を前に出したの。
「おいで」
穏やかに微笑んだ、彼。
差し出された手のひらを愛おしげに見つめながら、彼女はゆっくり動きだす。1歩、2歩と、透吾に近づき……。
そして、腕の中に顔を埋めてから、大声で泣きわめいた。