ティアラ2
「だってそうじゃん。この前の件……結局は女の嫉妬だろ? 笹野は美和に仕返しするために……俺に告白までしてきたんだぜ?」

ほんと恐ろしいよ、とぼやきながら首元を仰いでくれる彼。

「まぁ……確かに」
彼女の気持ちはわからなくもないけれど、篤紀の立場で考えれば迷惑な話なのかもしれない。

「男はさ……そういうとこサッパリしてるし、そんなネチネチした手は使わない。ほんと……女って何するかわかんねぇ」

「何それ……あたしのことも含めて言ってんの?」

「ああ、お前も嫉妬に狂ったときは醜かったしな」

あ、また醜いって言った。

ムッとしたあたしは彼から帽子を取り返し、自分の顔にだけ風を送った。
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