ティアラ2
後ろの席から聞こえた3人の声。ハッとして目を開けると、彼女たちはしらけた顔をのぞかせていた。

凍りつくあたしたち。身を乗り出していた篤紀も、ゆでだこみたいに顔が真っ赤だった。



夕方、無事に宿に到着したあたしたちは、汗をかいた体を流そうと、真っ先に温泉に入っている。

「直子……なんであの子たちまで」

「仕方ないじゃない、断れなかったんだから。もとはといえば、妹に旅行のことを教えた深町が悪いんじゃない」

目を向けると、桶で大事なとこを隠しながらおどける、田端あきお。あとのふたりも、彼女と一緒に騒いでる。

そう、篤紀が話したせいでこの旅行には、後輩たちまでついてきている。さっきはこの子たちがずっと寝ていたから、存在すらも忘れかけていたけれど……。

「……うるさい」
ゆっくり温泉に浸かることもできない。
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