ティアラ2
まだ発売すらしていないのに、みんなはもう知っている。……それは街中のところどころに写真集の宣伝ポスターが貼ってあるから、だ。

「まぁ……林田エリカさんのことがあったから騒がれてるけど、あたしは全然すごくないよ」

後輩たちの前ではケンソンした態度。

この前、電話で長時間、あたしから自慢話を聞かされた直子は、目を細めて呆れている。

「謙虚な美和先輩、素敵ぃ!」
「全然だよ~」

美緒にほめちぎられ、あたしは心の中で高笑い。やばい、顔がにやけてきちゃう。


「じゃあ、続けるの? モデルの仕事」

「うん。次作もあたしで撮りたいって透吾も言ってくれてるし、TVの効果で出版社のほうに仕事のオファーも来てるから」
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