ティアラ2
「……したくなるまで待つって言ってたくせに」

ポーチをカバンに入れ、すっくと立ち上がる。

思い出すのは去年のあたしたち。

夏休みに突然「したい」と言われ、パニクッたあたしはとっさに出た「ミスコンで三冠をとるまでは」という言葉で、その要望をおあずけにした。

で、学園祭が終わったあと、迫ってきた彼は戸惑うあたしに言ったの。

「お前がしたくなるまで待つよ」

「無理しなくていいって」

「そんなことで嫌いになんねぇよ」

なんて優しい人なんだろうって思った。

だけど、何?
このふてくされた態度は!
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