ティアラ2
「美味しい!」

彼女はひとくち食べて、驚くような声を出す。

「ほんとですか? なんか嬉しいな」

あたしは両手を合わせて、控えめに喜んだ。心の中で高笑いをしながら。

このまま一気に、あたしの時代へと持っていこう。今日からあたしがミスTAMAKI!

そう考えていたのに、彼女はまた……余計な一言をつぶやいたの。

「いいなぁ。あたし、料理下手だから……百瀬さんがうらやましい」

肩を落とした彼女の、しょんぼりした表情。それを見たあたしはゾッとする。

「大丈夫だって。京香は料理なんかできなくても、いいとこたくさんあるじゃん」

「そうそう。それに、俺は料理がへたな子のほうが可愛いと思うよ」
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