ティアラ2
「で、カードをこの機械に通すと……画面がこれに切り替わるの。そして入力」

「はい。わかりました」

1階のカウンター内で、笹野京香に会員カードの作り方を教わるあたし。

てっきり、あたしも篤紀と同じ2階で働くものだと思っていた。

けれどどうやら、このTAMAKIでは、男の子は力仕事、女の子はカウンター業務を中心に、力のいらない仕事をするようになっているみたい。

だから、今日もあたしは、笹野京香とふたりでカウンターにいる。

「よし、これでここの仕事は一通りわかったと思うし。百瀬さん、今日はずっとカウンターで、お客さんの相手をしてくれるかな?」

「え、あたしひとりで、ですか?」

「うん。もうひとりで大丈夫でしょ」

「……はい。わかりました」
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