ティアラ2
篤紀はあたしをじっと見つめ、辺りをキョロキョロ見渡し、奥でお客さんと話す笹野京香を見た後、呆れた表情であたしのそばへきた。

「なにやってんだよ?」

叱るような口調。

「え、なにって?」

「なんでこんなところでボーッと突っ立ってるのかって聞いてんの」

首を傾げると、篤紀の表情はみるみる険しくなる。

「ボーッとって……お客さんがこないんだから仕方ないじゃない」

きょとんとしたあたしに、篤紀はイライラした態度でこう言った。

「客がこないときは、違うことをすればいいだろ? なにやればいいのかわからないときは、まわりに聞けばいいし。さっきから笹野ばっか動いてるだろ……」
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