ティアラ2
ほんとにもう、とつぶやく彼。

「なによ、それ。笹野さんはあたしにカウンターを……」

まるであたしがサボッてるような言い方じゃない。

ムッとして言い返そうと思った。「今日は1日カウンターで」って言われたんだよ、と言ってやるつもりだった。

だけど、そのとき……。

「こちらです」

笹野京香がさっきのお客さんを連れて、カウンター内に入ってきた。

「いつも悪いね。探してもらって」

そう言って、財布を持つお客さん。

横にきた彼女は、DVDを持ったまま笑顔で応える。「いえいえ。遠慮なく聞いてください」と。

お客さんからカードを受け取り、レンタル期間を訊ねる彼女。その様子を前にした篤紀は、ジロッとあたしを見た。
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