ティアラ2
「やりますよ、もちろん」

ムカついて、強く言い切った。そしたら、篤紀のやつ……。

「嫌そうに言うなよ、仕事だろ。犬みたいにずっと待ってないで、ちゃんと働け」

グーにした手でコツンと、あたしの頭を叩く。

はぁぁぁあ!?

あたしは嫌そうに言ったんじゃなくて、この女の態度が気に入らなくて、きつく返したのよ!!

何なの何なの、何なのいったいっ!?

「じゃあ、俺は上に戻るから。あ、そうそう、これ……」

篤紀は持っていた書類を彼女に渡し、階段へと歩いていく。

篤紀に手を振る彼女を、あたしはしらけた目で見つめる。
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