ティアラ2
「一体、どうしちゃったの!? こんなことをするなんて、あんたらしくないわよ! ワラ人形は度が過ぎてる!」

しかめっ面で怒鳴ってきた、直子。プイッと顔を背けると、頬っぺたをつねってまで、目を合わせようとしてくる。

「……うるさいなぁ」

「何とでも言いなさいよ。間違ってるのはあんたなんだから」

耳が痛くなるくらいの、大声。口を尖らせていたあたしは、イライラして下唇を噛んだ。

「負けず嫌いなのは今に始まったことじゃないし、子供じみた真似をするのも嫌ってほど見てきた。でも、これはやりすぎだよ……ねぇ美和?」

真剣な眼差しで、悲しげに囁かれる。

今まで何をしても呆れるだけだった直子が、こんなにも怒るなんて。
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