ティアラ2
「ただの、ヤキモチかぁ」

直子が帰ってから、あたしはひとりで庭に戻った。……山積みにしたワラ人形がゴミに見えてくる。

「ヤキモチ……」

言われてみれば、そうなのかもしれない。

「……時間」

そういや最近、ゆっくり話してないなぁ。……ふたりの時間を増やせば、この苛立ちは消えてくのかな?

しばらくして、あたしは100体以上のワラ人形を片付け始めた。直子に言われた言葉を思い出しながら。



数時間後、あたしは気を取り直して、バイトに出勤。

「おす」

店の中へ入ろうとしたとき、偶然、自転車をとめにいく篤紀と会った。

「お、おはよ」
< 84 / 527 >

この作品をシェア

pagetop