ティアラ2
そんなに顔を赤くするなんて……。ほんとにもう、篤紀くんはシャイなんだからっ。

そこまでして、あたしとイチャイチャしたいの? もう……仕方ないわね。

「小人はおとなしく帰りなさい。ここからは18歳からしか読めない白雪……いたっ」

「鼻にティッシュ詰めて、何言ってんだ」

口にペットボトルを近づけながら囁くと、篤紀に軽く頭を叩かれる。

言われて、はじめて気がついた。鼻の穴にティッシュを詰められていることに。


しばらくして、子供たちを家に帰らせたあたしたちは、木陰にあるベンチで時間を潰している。

もともと遊具が少ないってこともあるけれど、ふたりになると……なぜか学校の校庭のように広く感じてしまう。町中にある小さな公園なのに。


「日射病?」

「たぶんな。……長時間、太陽の熱に当たってたからだろ」

さっきは寝起きだったから、ティッシュを詰めてるだなんて、すぐに気づかなかった。篤紀はそんなあたしに、鼻血を出した理由を想定して話してくれる。
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