fragrance



「一週間ぶりだな」


「はい
本当に来ていただけるだなんて…」


思ってもなかった
だって仲良くもなってないし
ケータイ番号だって知らない

名前すら知らない


ただ少し…ほんの少し話しただけなのに


「俺行くって言ったろ?」


真剣な目で 優しく言うお兄さんに
私は 胸がキュンとした


何も言わず頷く私にあなたは
大きな温かい手で頭をポンポンと乗せた


「スーツ似合うね」


あ…… 言っちゃった
突然出た正直な気持ち


スーツは灰色で
Yシャツは白く縦のキラキラした薄い銀色の線が入っていて第二ボタンまで空いていた


ガッシリした胸板が目につく

「あぁ
普段着ないんだけど今日友達の結婚式でさ
スーツ着ることになったんだよ」


似合いすぎて見れない


眩しすぎて…


< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ーSecretー

総文字数/358

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

表紙を見る
最愛

総文字数/2,084

恋愛(その他)5ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop