あいをください
冷え切った街中に広がるネオン。
騒がしく響く笑い声。
たくさんの人と行き交う度
"1人じゃない"
そう思えた。
愛着もなにもないただの繁華街は何故か家に居るよりも落ち着いた。


「あんたなんか生まれてこなかったらよかったのに。」

私に目をむける事もなく独り言のように呟く母。
苛立ちよりも悲しみで溢れかえる。

"泣くもんか。"

涙も感情もいつもの引き出しへ押し込み、気がついたら私はここにいたんだ。

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