full moon
「明日また連絡するから。」


「…うん。」


「おやすみ。」


遠のいて行くショウの車を見えなくなるまで見送った。




家に帰るとすぐにシャワーを浴びた。



体を打つ熱い水に心が落ち着いていく。


何も身につけない体の首元だけが生暖かい。

くもった鏡を手で擦る。


熱い水に温められたクロスが輝いていた。




車の中でショウにつけられたクロスは、私の首元を締め付けているような気がして息苦しかった。



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