full moon
沈黙が続いて静まりかえる私たちの距離。




気まずくなった部屋に耐えきれず二人でカラオケを出た。





一人で帰ると言ったがこんな時でもユウキは家まで送ってくれた。






「ごめん。気まずくして。」


「私こそごめん。」

「ユウが謝る事ないよ。このまま言わずに後悔とかしたくなかったからさ。ユウの事ずっと好きだった。ただそれだけ。俺の気持ちだけは知っといて。」



そう言って優しく頭を撫でて帰っていった。





いつもふざけて騒いでいて子供みたいなユウキ。



だけど帰っていくユウキの背中は、すごく大人びて見えた。




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