full moon
玄関の開く音がしたのは真夜中の事だった。





嬉しくて玄関まで走った。






「ただいま。」




この言葉を聞くために待ち続けたのに。



嬉しさも不安も消えない。






私の心臓が高鳴りすぎて壊れそう。







ショウの隣には私の知らない女の人が居た。





笑いもせず無表情なその人は、私たちを残してリビングへと行ってしまった。





私の横を通りすぎた時、ショウと同じ煙草の匂いがしていた。




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