full moon
頭が真っ白でどうしたらいいのか分からなかった。





ショウを見ると、



「大丈夫。」



そう言って私の手をとった。





そのままリビングのほうへと歩いて行く。






行きたくない。


ショウの手を振り払って逃げ出したかった。




今にも涙が溢れ出しそう。






手を握るショウの指には見たことのない指輪があった。



ひんやりと冷たい指輪は繊細でシンプル。




あの女の人の指にも同じ指輪が存在しているところなんて見たくなかった。




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