full moon
「ミカなんかあった?」





次の曲を選んでいたミカの手が止まる。






「別に何もないよ。」






目を合わせない。



ミカが嘘をつくときの癖だ。







「ミカ嘘ついてる。なんかあったんでしょ?どうしたの?」






「本当に何もないってば~」





笑いながら飲み物を口に運ぶ。






でも全然笑えてない。








だって笑いながら泣いてる。







「ごめんちょっと待って。」







そう言いながら声を殺して泣いている。






ミカの近くに座り泣き止むまで背中をさすった。



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