彼女ノ写真
彼女が駆け出した。今にも崩れ落ちそうな、穴だらけの言葉を残して。表情は見えなかった。むしろ、見えない方が良かった。




もし、涙でも流されていたら、僕は自分自身を嫌いになってしまっただろう。




それはつまり、彼女への裏切りでもある。そう思う。




「サクラ!ダッシュっ!!!」



「はいっ!」




マキ先輩が叫ぶ。二宮さんが、シキちゃんの後を追う。




ありがとうございます───。





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