彼女ノ写真
心がサビ付くようだ。泥の沼に沈み行くようだ。




何で、こうなった?彼女は走り去った?───よく分からない。




これが恋人とのケンカって奴なのか?ものすげ~キツイ。




僕の影が、小梅の影に飲み込まれる。




動きを封じ込められたように、立ち尽くし、唇を噛む。




さっきまで優しく感じた風が、急に厳しく、冷たく感じる。




そんな似合わない感傷に浸っていた僕に向かって、マキ先輩が何の遠慮もせず、全力のエネルギーを込めた言葉をぶつけて来た。





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