彼女ノ写真
「こら、シキちゃん!反省はしちゃダメだよ!」




そんな私の言葉に、キョトンとした表情で完全に振り返った。




「だって、、、悪かったな~って所はしっかりと自覚しないと、、、。反省しないと」



「うーんとね、ケイト兄が言ってたんだけど、あ、ケイト兄って言うのは、子供の頃にね、近所に住んでいた三歳上の男の子でね、私のお兄ちゃん的な存在で、ハル姉の弟みたいな存在だった人なんだけど、カナデちゃんから聞いた事ある?」



「うん。少しだけどね、聞いた事あるよ。カナデちゃんもお兄さんみたいな存在だって言ってたよ」



「あは、そっか~それは知らなかった!何となく、余所々々しかったんだけど、、、良かった!───あ、それでね、ケイト兄が前に言ってたんだけど、反省はするな!その代わり後悔をしろっ!って言っててね。


私、不思議だったのよ。だって、元々の意味が違うじゃない?言葉自体の。でもね、反省は幾らしても、立っている場所が変わらないんだって。視点が変わらないんだって。


でもね、後悔は下がる事もあるけれども、上がるかもしれないんだって。立っている位置も視点もその時のお前より変化があるんだって。何かが確実に変わるのが後悔なんだって。


あの時は、こんなチビな私に、また小難しい事言ってるな~この人って思ったんだけど、いろいろあって───何かね、段々分かるようになって来たのよ。


だから私は、反省するぐらいなら後悔するまでやる事にしてるのよ。反省はしない事にしているのよって、何言ってるの?って感じだよね?あはは」



「ううん、そんな事ないよー!凄く良い考え方だよ!!そうだね~うん。私もそうするわ!いきなりは無理かもしれないけど、少しずつでもそういう風に考えていけるようにする!あは、ありがとね!」



「えぇ?!なんで、ありがとう??!」



「なーんとなくよ。何となく」




そう言うとシキちゃんは、はにかんだ様な笑顔を見せたあと、こう続けた。






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