彼女ノ写真
自宅に暗室など持たない僕が写真部への入部を決めるのは、すごく当たり前の選択で、四月の中旬頃には、放課後になると、カメラ片手に校内をぶらついていた。
当時、写真部には先輩たちが六名いて、みなさん、一年で入部したただ一人の僕には、優しかった。唯一の男子部員だった部長には、特に可愛がられ、いろんな撮影方法を教わった。
そんな撮影方法が試したいのと、元々撮るのが好きなのとが重なり、僕は校内をぶらついていた。
シキちゃんを最初に見たのは、四月の終わり頃だ。まだ風が時折冷たく吹く、そんな春の放課後、彼女はこの、今僕たちがいる場所で黙々とスケッチをしていた。
それから、毎日放課後になると、彼女はいつもここにいた。
三階の校舎の窓から見える、そんな彼女の姿が次第に気になるようになり、意を決して彼女に会いに行く事にしたのが、五月の初旬の事だった。
当時、写真部には先輩たちが六名いて、みなさん、一年で入部したただ一人の僕には、優しかった。唯一の男子部員だった部長には、特に可愛がられ、いろんな撮影方法を教わった。
そんな撮影方法が試したいのと、元々撮るのが好きなのとが重なり、僕は校内をぶらついていた。
シキちゃんを最初に見たのは、四月の終わり頃だ。まだ風が時折冷たく吹く、そんな春の放課後、彼女はこの、今僕たちがいる場所で黙々とスケッチをしていた。
それから、毎日放課後になると、彼女はいつもここにいた。
三階の校舎の窓から見える、そんな彼女の姿が次第に気になるようになり、意を決して彼女に会いに行く事にしたのが、五月の初旬の事だった。