彼女ノ写真
「何言ってんのよ?当たり前じゃない!ほら、早く!先輩命令を発動するわよ?」



「先生命令も!」




私の隣で、ぴょんぴょんと飛び跳ねて、ハル姉は会話に参加した。




「ほら、先生もああ言ってるじゃない!」



「そ、そんな、、、」




シキちゃんはうつむいて、そして、恥ずかしそうにジャージの裾を握りながら、エークンの方を見遣る。




その目は、きっと訴えかける様な目だったのだろう。エークンは、二度三度頷いて、口を開く。




「先輩!お願いしますー!!」




その言葉に、シキちゃんは目を見開いて、彼の方を見たものの息を深く吐いて、そっと微笑んだ。




その微笑みは、諦めたと言うよりも、ありがとうと感謝しているように思えた。




自分の口からは言えない事を、言ってくれてありがとう────と言うような。




「お願いします、、、」




そそと、静かにシキちゃんはエークンの隣に移動する。




二人は、お互いの心の距離を表すような程よい距離で並ぶ。




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