彼女ノ写真
「おーし!じゃあ、撮るぞ~!」




その声の元、二人は表情を堅くした。分かっていたけれども、あまりにも予想通りの反応で、私はおかしくなった。




「あ、そうだ!シキ、これはアートよ?アーティストとして、自分を表現しなさい」



「え?どう言う事ですか? 



「どう言う事じゃないの。ただ写るんじゃなくて、アーティストとしての表現を私に見せ付けなさいって事よ。つまらないでしょ?それとも、ただの写真を私に撮らせる気?」



「そんな、、、」




そう言いながら、シキちゃんは考え込んだ。そして何か吹っ切ったように声を発した。




「分かりました!私、やります!!」




その声に、宣言に、一番驚いたのは、誰であろうエークンだった。




それはそうだろう。自分が一緒に写るのだ。




自分が一緒に写る写真で、彼女は何をどう表現して、それをアートと呼ばせる気なのだろうと、考えるのが当たり前の話だ。





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