彼女ノ写真
言い方を変えれば、食べる事に夢中になっていた。




彼女の表情から、それが手に取るように分かり、聞いた事なかったけど、元々、好物だったのかな?と思わせるような食べっぷりだった。




僕はと言うと、妹にも食べさせてやりたいと思ったり思わなかったりで、それはつまり、まだ彼女の兄としての誇りを持っていると言う事なのだろう。




そんな僕の願いが通じてなのか、帰り際、全員にお土産として、カニクリームコロッケを渡された。前日に用意された物は、すべて頂いた筈なので、それは新しく揚げられた物だと思われた。




笑えたのは、ハル先生にはこっそり渡していた事だった。事情を教えてもらっている僕らは、別にチクりませんよ?




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