彼女ノ写真
「じゃ、師匠!お邪魔しましたー!また食べにきます!!」




そんな礼儀正しいマキ先輩の挨拶に続いて、僕らはそれぞれ感謝に挨拶を付け加え、ハル先生待望のカニクリームコロッケの日を終えた。




「次回は~この日ね」




と言う、次回の晩餐日の日付を残して。




まったく知らない環境に置かれる良く知る人間の生態と言うのは、実に興味深く、面白いと感じる時間だった。




マキ先輩の礼節を重んじる態度、サイオンジ先輩の普通度合い、ハル先生の普遍性、シキちゃんの社交性(薄々気づいていたけど、僕にだけ冷たいと言う事を実感した)、それぞれが新鮮で、あの不安だった前日までの代償としては、カニクリームコロッケの予想以上の味もプラスされ、お釣りの方が多くなった気さえして、それがキッカケで、今までの人生での様々な出会いに感謝するなんて、詩人みたいな事を思ってみたりした。




明けて月曜日の放課後、屋上での事。




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