彼女ノ写真

授業中に、のんびりと気ままに流れる雲と、木々の枝で羽を休める鳥達に目を奪われると言う、窓側の席の特権をフル活用しながら、頭の中では先生が読み上げた助言がループする。




その何とも言えない耳に残る発音と、淡々と読み上げるテンポの力で、僕はウトウトしながら、三日前の事を思い出していた。




あの日は、放課後から運動する事を宿命付けられていたのかもしれない。




写真部なんて部室があってない様なモノで、放課後になると僕はいつも、被写体を探して、カメラ片手に校内をフラフラしている。




もちろん、あれが撮りたいと思って、そこへ足を運ぶ事だってあるけど、あの日はそう言う事も無かったから、本当にただブラついていた。




まぁそんな時は大概、美術室に足を運んで美術部のみなさん（特にマキ先輩）と、愚にも付かない会話を繰り広げている訳で、結局あの日も美術室に遊びに行く事にした。