彼女ノ写真
ただあの人達は、美術部と言う名のアクティブな集団だから、部活動のすべてを美術室で行っている訳じゃなく、屋上やら、体育館の片隅やら、焼却炉付近などの校内から、公園とか、河川敷とか、海などの屋外でも、部活動と表した過激な芸術活動をマキ先輩(のみ?)を中心に行っていたりするから、美術室に行っても、必ずいるとは限らない。




「「そんな事、分かる訳ないじゃないですかぁ!」」




美術室の目前で、そんな声が聞こえてきた。どうやら今日は美術室にちゃんといる様だ。




一人は、二宮さんの声だけど、もう一人は、、、、シキちゃん?




まさか、シキちゃんがあんな廊下まで聞こえる様な大声を出す訳───あっ!




僕は慌てて、美術室のドアを開けた。きっと、サイオンジ伝説(僕が命名)だ!




マキ先輩による、新たなるサイオンジ伝説が披露されたに違いないっ!!




ドアを開けた僕の顔は、よほど必死で真剣な顔をしていたらしく、珍しくシキちゃんが心配そうに声を掛けてきた。





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