彼女ノ写真
「さて、あれはどうするかね~?」




そう言いながら、マキ先輩は小梅ちゃんの頭の方を見遣った。




そこは、どう考えても私より背の低いマキ先輩の身長では、届くはずがない高さだった。




もちろん、私も届かない。シキちゃんだって、この中で一番背の高いサイオンジ先輩だって、届く高さではなかった。




サイオンジ先輩か私が、木に登ると言う手段があるけれども、目測で十メートル以上はあるだろう小梅ちゃんの全長を考えると、その頭の位置にあるシャトルを取って来ると言うのは、さすがに私は恐い。




サイオンジ先輩に至っては、スカートの中を気にして登る事自体を拒否するだろう。




そうなんだ。そう言う古風な所があるんだ、この先輩には。





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