海の乙女

―――…

ニックとフレッドは食料の買い出しに街に来ていた。

「いい食料が買えてよかったっスね。」

「そうだな。」

会話の途中、突然ニックが立ち止まった。

「わっ!!」

ニックの少し後ろを歩いていたフレッドはニックの背中にぶつかってしまった。

「ててっ…どうしたんっスか?」

フレッドはぶつけた鼻をさすりながらニックに尋ねると、ニックは「しっ」と口の前に人差し指を立てた。

「?」

理解できないのかフレッドは首をかしげていると、ニックは兵が二人立っている方を指差した。


「例の人魚を確保しました。」

「本当か!よくやった!」

「しかし、少し抵抗したので気を失わせましたが…。」

「少々かまわん。」

「報告は以上です!」

「よし、ご苦労。兵を全員撤退させろ。」

「は!」


「こりゃまずいぞ…。」

「早くみんなに知らせないと!!」
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