海の乙女
―――…
「あれ?人魚ちゃんは?」
荷物の積み込みが終わり、船に戻ると人魚ちゃんの姿が見当たらなかった。
「そう言えば姿が見えませんね。」
「た、大変っス!!」
買い物に出掛けていた、ニックとフレッドがすごい形相で走ってきた。
「どうした?そんなに慌てて?」
「さ、さっき兵が話してるのをたまたま聞いたんだが、『人魚を捕まえた』って…」
「なに!?」
ニックのその一言で船内が騒然とした。
「人魚ちゃんのことか…。」
くそっ…。俺があのときちゃんと船まで送ってたら…
「どうするの、ライト?」
ロビンがうすら笑みを浮かべながら今からいう言葉がわかっているようにしながらも尋ねてきた。
「海賊だったら取られたもん、取り返しに行くに決まってるだろ!」