海の乙女

それからしばらく進むと、遠くから「おーい!」と言う声が聞こえてきた。

声のする方をみてみるとフレッドが手を振っていた。

「あ、フレッドだ!」

「よかった、無事だったのね」

「ああ。そっちは?」

「こっちもみんな無事よ。お宝もバッチリもらってきたわ」

そう言ってロビンがむけた目線の先には、グリフィスの屋敷から盗んできた金目のものが山積みになっていた。

「あ!そうそう!」

「?」

ロビンはポケットの中をゴソゴソ探りだした。

「はい、人魚ちゃん。探し物はこれでしょ?」

そう言って差し出された手の中には…

「あたしの髪飾り!」

「あいつの屋敷に保管されてたんだよ。きっと、逃げてた時に落としてたんだろ?」
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