海の乙女
「ねぇロビン。何かみんな落ち着きがないみたいだけど…」
「そう?気のせいじゃないかしら?」
そう言ってロビンは紅茶を一口すすった。
「うーん…そうかなぁ…?」
気のせいじゃない気がするんだけど…
「それよりもフレッド。島が見えてきたわよ。錨を下ろす準備しなさい。」
「うっス…」
「あ!あたしも手伝う!」
「リリィは危ないから、ダメよ。」
「え、でも…」
「そこでおとなしくしていること。いいわね?」
ロビンは有無を言わさない声色で言った。
しぶしぶ「はーい…。」と返事をすると「いい子ね。」とあたしの頭をポンポンと撫でてロビンとフレッドはどこかへ行ってしまった。
……あれ?
そういえば、なんか上手く話そらされた?
「もう!気をつけなさいよ。あんたは嘘が下手なんだから。」
「すんませんっス…。」
「アレは絶対秘密なんだからね――」
ロビンとフレッドがひそかに話していたことはあたしは知らない――