海の乙女
ようやく島につき、港に船をとめた。
「うわー!ライト!すごいよ!!人がいっぱい!」
「ここはダリア島。小さな島なんだけど、貿易の経由地点で色んなものが売ってて盛んな島なんだよ」
「へぇー!」
ロビンがパンパンッと手を叩きみんなの注目を集めた。
「じゃあ、ここからは自由行動ね。各自必要なものを買って、時間までには戻って来るように。集まり次第すぐ出港するから。」
「はーい!」
久しぶりに陸に降りれるのが楽しみで、鼻歌を歌いながら準備をしていたが…
「それと…リリィはお留守番だからね。」
笑顔で言うロビンのその言葉で一瞬にして固まってしまった。
「…どうして!?」
あたしの言葉にロビンははぁ…とため息をついた。
「その髪、どうするつもりよ?」
「あ…」
ロビンが解散と言ったあと、みんな個々に散らばっていった。
あたしは一人さびしくみんなが街へと姿を消していくのを眺めていた。
「リリィ…」
「ライト…」
「俺もちょっと用事あるから留守にするけど、終わったらすぐ帰ってくるから。」
「あたしは大丈夫だよ。いってらっしゃい!」
ライトは名残惜しそうにあたしの頭にポンポンと手をのせると船を降り、人ごみの中へと消えていった。