海の乙女
あたしはバッと勢いよく飛び起きた。
「はぁ…はぁ…」
あたりを見渡すと、さっきの真っ暗な空間ではなくあたしの部屋だった。
「ゆ…め…?」
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
額の汗を拭い、呼吸も乱れていたため深呼吸をした。
時計をみると3時間くらいたってしまっていた。
寝すぎちゃった…
この3日間さっきのような夢のせいで、じつはあまりよく眠れていない。
日中は忘れていても、夜になると急に不安が襲う。
――彼はいつまでわたしの心を縛り続けるの?
ため息をついていると、外が騒がしいのに気が付いた。