海の乙女

―――…

「あ、リリィお留守番ごくろうさまっス」

「おかえり…。…それにしてもすごい荷物だね」

船の上には木箱に入った大量の荷物が置いてあった。

「ああ、これ買うためにみんなで買出しに行ったからな」

「へぇー…」

ふと夢に出てきた『あの人』の言葉をふと思い出した。

あたしも何かしなきゃ…

役に立たなきゃ…

みんなに嫌われたら

やっと見つけれたあたしの居場所…

また…なくしちゃう…。

「フレッド!これ運べばいいの?」

「あ、ああ。でもこれ重いっスよ?」

「大丈夫だよ!ん…しょ」

箱を持ち上げるも、あまりの重さによろけてしまう。

「ほんとに大丈夫っスか?」

「だい…じょう…ぶっ!」

よたよたしながらもなんとか運べている。

あたしにだってこれくらいできるもん!

しかし、足がつまずき…

「っとっとっ…きゃーー!!」

持っていた荷物をばらまけてしっまった。

「あちゃ~…」
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