海の乙女

次!


「マストゆるいぞ!張りなおしとけよー」

ニックが部下に指示をしていた。

「あたしがやる!このマストを張ればいいの?」

「おいおい、やめといた方がいいぞ」

「大丈夫!!」

この数日、みんながマストを張るとこくらい見てる。

あたしにだって…!

しかし、いきなり突風が吹き…

「きゃーー!!」

あたしにグルグルとロープが絡まってしまった。

「あーあ…言わんこっちゃねぇ…」


次!!


「ごめん。今海図を書いていて手が離せないの。誰か床掃除しておいてもらえる?」

ロビンがバケツとブラシを用意していた。

「あ、あたしがやる!!」

「いいわよ。リリィは座っておいて」

「大丈夫!!」

ロビンが持っているバケツとブラシを奪い取り、走ると…

「きゃーー!!」

以前フレッドが転んだとこと同じ場所で足がつまずき、バケツに入っていた水を撒き散らしてしまったのだ。

「あー…」


船内はもう散乱状態だ。

「ご、ごめんなさい…」

もうみんな呆れはてている。

「片付けます…」

「危ないからいいわ。リリィは部屋に行ってて」

「……うん。」
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