海の乙女
「オレたちからは洋服のプレゼントっス」
「絶対リリィに似合うと思ってな」
フレッドとニックの目線をたどると大量の洋服が積み重なっていた。
「いつまでもフレッドのってのもちょっとアレだからな」
この数日間はフレッドの洋服を借りていたのだ。
だが、フレッドはこのなかでは小さいとは言ってもやっぱり男の子なためブカブカだった。
「ありがとう…。で、でもこんなに?」
目の前には山のように積まれている洋服の数々…
「買い物してたらついつい…な。なにがいいか分からなかったし」
ついついでこんなに!?
洋服の山には普段着からドレスまであった。
「ドレスなんて着ることあるのかなぁ?」
「備えあれば憂いなしって言うだろ!」
うーん…
そうなのかな?
少し疑問に思いながらも、服に手を伸ばした。
ボーイッシュなものからフリフリのかわいい服まで多種多様だ。
「…でも、全部かわいい。」
「ふーん。なかなかセンスいいの選んだじゃない」
「だろー!」
ニックが自慢げに鼻をこすった。
「着てみたらどうっスか?」
「うん!!」