海の乙女

あの後、なかなかニックは解放してくれず、さらにはロビン達まで加わり、やっと解放してくれた頃にはもうお開きになってしまった。

酔い潰れてしまったロビンたちを手分けして部屋に運んだあと、急いで甲板に戻った。

「よかった、ライトまだここにいたんだ」

「リリィ、どうした?」

「あの、今日は本当にありがとう…。この歓迎会、ライトが考えてくれたんだね?」

「え…?」

「ケビンさんが教えてくれた」

「たっく…言うなって言ったのに……。」

「?」

ライトは少し照れる素振りをみせたあと、胸に手をあて、まるで王子様のように

「楽しんで頂けましたか、姫?」

と、言った。

その行動に少し驚いたが「うん!!」と返事をした。

「あ、そうだ。忘れるところだった」

「?」

「これは俺からのプレゼント」

そう言って手渡されたものは…

「短刀?」

「やっぱり、これから色んな危険があるからな。あんまり使って欲しくないが…いざっていう時のために」

「ありがとう」
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