海の乙女
第三章 調査
昨日の賑やかさとは打って変わり、いつもと変わらない日常だ。
ただ一つ違うのは、船内が昨日の残骸で散らかり放題ということだ。
昨日の楽しさを思い出しつつ、片づけを開始した。
「リリィ」
ライトに声をかけられ、そっちの方を見るとライトの他にロビンとニックも立っていた。
「次に目指す場所なんだけどね…」
「友達の場所…わかるか?ちょっとしたことでもいいんだ。なにか手がかりはないか?」
そうこの旅はあたしの友達のサラを探すため、そしてあたしたちを住んでいた島へ帰すため、ただでさえ大変な海賊業の片手間、協力してくれているのだ。
だが…
「…ごめんなさい。捕まってからは外の世界と隔絶されてたからなにも…」
自分のために動いてくれている人たちの力になれず申し訳なさと、歯がゆさが残った。
「そうよね」
「本当は行きたくなかったけど、この際しかたない、か…」
ライトはなにか決意したように腕を組んだ。
「…ほんとに行くのか?」
ニックはあまり行きたくないのか渋い顔をしている。
「ニック、ここは腹を括るしかないわよ」
「くぅ~…しかたねぇか」
ニックは頭を掻きながら渋々承諾した。
「ライト、どこに行くの?」
「世界中の海賊が集まる場所、フロックだ!」