海の乙女

町に入ると、さっきライトが「離れるな」と言ったことがよくわかった。

海賊の島と言われるだけあって、そこはたくさんの海賊で賑わっていた。

中には体や顔にまで古傷がある屈強そうな男も大勢いた。

さっきまでのワクワクはどこへやら、いざ島に出るとこの前の経験もあるため、不安におそわれあたしはあたりをキョロキョロうかがうように歩いていた。

今のあたしはどこからどう見ても人間の男の子。

ばれるはずがない…。

「大丈夫」と自分に言い聞かせながら歩いていると、頭にポンッと少しの重み温かみを感じた。

それはいつの間にか隣に来ていたライトの手だった。

「大丈夫だよ。普通にしていればバレることもないし、俺がついてる。何かあったら必ず守るからな」

「うん…。ありがとうライト」

ライトと話していると会話が聞こえていたのか後ろから

「オレもいるッスよ!」

「あら、あたしもやるときはやるわよ」

とフレッドとロビンの二人があたしの両肩に腕を組んできた。

「うん!」

そうだね!みんないるもん!
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