海の乙女

「さぁニック~。あんな女放っておいて、あっちでおしゃべりしましょ~」

「あぁぁ…」

ニックは引きずられるようにキャサリンに連れ去られてしまった。

助けてと言わんばかりの目でこちらに手を伸ばすが、ロビンは「いってらっしゃ~い」とのんきに手を振っていた。


その頃、ライトは一人の店員のところに行くと聞きなれない言葉で言った。

「Le soleil sert comme lumière qui mène des gens」

するとその店員は手を止め…

「…ついてきな」

と、お店の奥に行ってしまった。

あたしたちは店員について行くと…

「あれ…?行き止まり?」

行き着いた先はお店の一番奥で本棚があるだけの空間だった。

どういうことだろう…?

あたしが不思議に思っていると「さあ、こちらです」と、店員が本棚を手前に引くとその奥には階段が隠されていた。

階段を降りたその先は、先ほどまでいた飲み屋の雰囲気とは打って変わり、バーのようなおしゃれな内装になっていた。
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