海の乙女
第四章 誘拐事件
ライト達と旅を始めてもうニ週間が経とうとしていた。
「眠れない」
もしかしたらサラと会えるかもしれない
そう思ったらソワソワしてなかなか寝付けなかった
「ちょっと外に行って気分転換しよ」
あたしはカーディガンを羽織り、甲板にでた。
「んー…夜風が気持ちいい」
ひんやりとした風が潮の匂いを運んでくる。
星が瞬く音も聞こえてきそうなほどの静けさだ。
見渡す限り海が続いてる
「本当に海賊の仲間になっちゃったんだ」
改めて考えるとそれはとてもすごいことだ。
あたしは本来、海賊に狙われる存在。
それが今では、その海賊の船に乗り、一緒に旅をしているのだから。
後ろから迫る脅威にも気づかない。
突然口を塞がれ呼吸が
「!!」
ライト!!