海の乙女
「ねえねえ!ライトって昔はどうだったの?」
私は少し前のめりになりながらロビンに尋ねた。
「今と変わらない、なんにでも首をつっこむ好奇心旺盛でお節介な人よ」
昔のことを思い出しているのかロビンはうんざりしたような表情で言った。
「ま、この船にはいろんな人が乗ってるからね」
その後ロビンと他愛もない話をしていると、ふいに眠気が襲い小さなあくびがでてしまった。
それに気が付いたのか、ロビンは時計を見てみるともう夜もかなり更けていた。
「あら、もうこんな時間」
「ほんとだ。いつの間に…」
「明日も早いし、そろそろおいとましようかしら」
ロビンはそう言いながら立ち上がり、ドアを開けた。
「うん、そうだね。今日はとっても楽しかった!ありがとう」
「わたしもよ。おやすみなさい」
「おやすみ!」
ロビンとお別れしたら眠気に襲われ、吸い込まれるようにベッドに入った。
ロビンとこんなに二人っきりでお話ししたの初めてだ。
いつもはライトやフレッドたちも一緒におしゃべりしているし、たとえ二人だけだとしてもロビンはいつも忙しそうでこんなにじっくり話したことはなかった。
さっきの楽しい会話の余韻に浸りながらも、あっという間に夢のなかへと落ちていった。