海の乙女

歓迎会のときにロビンからもらったウィッグをかぶり、船から降りた。

髪はすっぽり隠れているため、あたしを人魚と思う人はいないだろう。

だがこの前の経験もあるため、あたしはあたりをキョロキョロうかがうように歩いていた。

大丈夫…だよね?

すると頭にポンッと少しの重み温かみを感じた。

それはいつの間にか隣に来ていたライトの手だった。

「大丈夫だよ。ここは穏やかな街だし、俺もいる。それにみんなもな」

「うん。そうだね!ありがとうライト!」


街の中へ入っていくと朝早いこともあってか、すごくにぎわっていた。

あまり大人数で行動しても動きにくいため、あたしはライトとロビン、それにフレッドと共に行動していた。

「人がいっぱいだね!」

「ちょうど朝市の時間帯だからでしょうね」

ライトとロビンと話していると人も多いせいかロビンがドンッと通行人にぶつかった。

「あ、すみません」

「あ、いえ…」

ロビンが謝罪をし、再び歩き出そうとすると…

「キミ、待ってくれ!!」

「え…?」

ぶつかった男性はロビンの腕をつかみ

「ボクの花嫁にならないか?」

と、告白した。

「…は?」

もちろん突然のことでロビンはもちろん、あたしたちも呆然としていた。

だがそんなことはお構いなしに、彼は自己紹介を始めた。
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