海の乙女
「だから昨日もお断りしたように…」
「そうやって僕を焦らすなんてひどいじゃないか。まあそんなところも魅力的なんだがね。さあ、もうパーティーが始まってしまう。」
「あなた人の話しを…っ」
「お連れしろ」
ロビンが口をはさむ隙もなく、モリスが指をパチンとならすとあたしたちは従者たちにあっという間に囲まれ、馬車へと押し込まれていった。
ようやく馬車が止まり、着いた場所は立派なお屋敷だった。
着くやいなや、ロビンは待ち受けていた侍女に連れられ屋敷へと消えていった。
「さあ、キミたちの衣装も用意しているよ。よかったら着替えてきたまえ。そんな遠慮なんてしなくていいんだよ。僕からの気持ちさ。ああっ、なんて親切なボ・ク」
あたしたちの意思も関係なく、部屋に通され侍女にドレスに着替えさせられた。
「まあ、かわいらしいこと」
「よくお似合いです」
鏡を見てみると膝丈の黄色のドレスに、胸元には花の刺繍、胸下にはリボンがあしらっており、裾はふんわりとフレアになっている。
「お連れ様がこちらの部屋でお待ちになっております」
扉を開けると部屋にはタキシード姿のライトたちがいた。
「わぁ!みんなかっこいい!すごく似合ってる!」
「リリィもめちゃくちゃかわいいッス!」
「」
「大変お待たせいたしました。パーティー会場へとご案内いたします。」