ダイスキが止まらない


始業式。

校長先生の話はやたらと長い。
まぁ、それが恒例なのだけど。


「礼っ」

教頭らしき人物の合図で頭をさげる。
これで始業式は終了。


の、はずなのに…
解散 の声がかからない。
お願いだから早く自由にさせて欲しい。
そんな儚い願いも届かず、用意されていたであろうシナリオは、どんどん進む…

「次に、入院中の橘先生に代わって入ってきた新米の先生を紹介します」

橘先生…?
あぁ、そういえばいたっけ…そんな人。
確かナントカ病になったとかで、二年間学校に来れないんだった。

そんな事をふと思い出して壇上を見る。


新米先生と思われる男が中心に立つ。

「今回、ピンチヒッターとして来てくれたのは…


杉浦 泰智先生です」








え…?

いやいや、あり得ないってば。
まさかそんなワケ…

「橘先生の代理人として来ました、杉浦泰智です。専門科目は数学。短い間ですが、よろしくお願いします」






『俺の得意科目、何だと思う?』

『なに?』



『数学。これだけは自信あるから、何でも聞きな』










やばい。
脳がフル回転してクラクラしてきた…
< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop