ダイスキが止まらない
始業式。
校長先生の話はやたらと長い。
まぁ、それが恒例なのだけど。
「礼っ」
教頭らしき人物の合図で頭をさげる。
これで始業式は終了。
の、はずなのに…
解散 の声がかからない。
お願いだから早く自由にさせて欲しい。
そんな儚い願いも届かず、用意されていたであろうシナリオは、どんどん進む…
「次に、入院中の橘先生に代わって入ってきた新米の先生を紹介します」
橘先生…?
あぁ、そういえばいたっけ…そんな人。
確かナントカ病になったとかで、二年間学校に来れないんだった。
そんな事をふと思い出して壇上を見る。
新米先生と思われる男が中心に立つ。
「今回、ピンチヒッターとして来てくれたのは…
杉浦 泰智先生です」
え…?
いやいや、あり得ないってば。
まさかそんなワケ…
「橘先生の代理人として来ました、杉浦泰智です。専門科目は数学。短い間ですが、よろしくお願いします」
『俺の得意科目、何だと思う?』
『なに?』
『数学。これだけは自信あるから、何でも聞きな』
やばい。
脳がフル回転してクラクラしてきた…